そして、憧れの”営業マン”に

海斗さんは3年前、営業マンとして働く父・寿久さんの姿に憧れ、寿久さんが社長を務める電子機器販売の会社に就職しました。

父・山崎寿久さん「いやもう反対しましたよ、ずっと営業マンはやめとけと言ってたんですよ。朝早くとか夜遅くとか車も当然運転しないといけない、自分だけではなくてほかのスタッフにも迷惑をかけたりするので。ただ、やると聞かないからですね。本人が」

寿久さんの心配をよそに、海斗さんは持ち前の明るさで職場に溶け込んでいきます。
営業成績も社内でナンバー1になりました。

山崎海斗さん「僕からも『できないことや難しいことは手伝ってください』と、なんでも言い合える関係性になれたことは、同僚、上司含め会社の皆さんのおかげだなとは思っています」

同僚はこう話します。

「とにかく明るく前向きなところですかね」
「いいキャラですね。僕らも接しやすいですし」
「なかなか障害を武器にできる人できない人いると思うので、それをポジティブに捉えて武器としてやってるのはすごいかなと」

この日、海斗さんは、担当する福岡市東区にある取引先に向かいました。取り扱う電子機器の修理も海斗さんの仕事です。

取引先の社員「どうしたらいいですかねと、そしたら『すぐ行きます』みたいな。いついつ行きますと言ってくださるのですごく助かってます」

取引先・グリーンライフ産業 中村太郎代表「みなさん言われると思いますけど、底抜けに明るいですし元気があって、人に力を与えられるような。お仕事させてもらってて話してて楽しい」

障害を個性という強みに

海斗さんは自らの障害を個性という強みに変え、営業マンとして活躍するかたわら、YouTubeや講演活動を通して自身の経験を伝え続けています。

山崎海斗さん「健常者の子供たちが、障害を持っている子が周りにいてもこの子の個性なんだなと理解することもできるし。みんなと同じように生活したいけどなかなか自分を出せない子もたくさんいると思うので、そういう子たちが堂々と生きられるような、ひとつのきっかけになれたらなという想いで」

障害に対する差別や偏見をなくすことに加えて、自分の生き方を発信することで、同じ境遇で悩む人を1人でも多く救いたいと話す海斗さん。

山崎海斗さん「自分だからこそ、障害をもって生まれてきたんじゃないかと、僕だから乗り越えられると神様から与えられた試練じゃないですけど、そう思って生きてきている。自分だからこそ、もっといえば、この両親のもとだからこそ乗り越えられると思って、生まれてきたんじゃないかと思ってます」

明るく、楽しく、ポジティブに。きょうも海斗さんは自身の個性を武器に、日本一の営業マンを目指しています。