英ロックバンド「Oasis」が15年ぶりに再結成し、ライブツアーを行うことを発表した。同バンドのギャラガー兄弟は長らく不仲で知られ、今回の再結成に世界中のファンから喜びの声が上がっている。音楽プロデューサーの松尾潔さんは9月2日に出演したRKBラジオ『田畑竜介Grooooow Up』でギャラガー兄弟について「2人が組んだ時の化学反応を誰よりも知っている」とコメントした。
「第二の国歌」名曲を数多く持つOasis
イギリスのロックバンドOasisが15年ぶりに再結成します。イギリスを代表するバンドとして特に1990年代から2000年代に青春時代を過ごした方にとっては馴染み深いバンドかと思います。世界的に有名になったのが1994年で、2009年に一旦解散という形をとりました。
Oasisをよく知っている人たちは「あー! あの兄弟仲が悪いバンド」という認識。兄がノエル、弟がリアム。兄のノエル・ギャラガーはイギリスのロック史に残る名ソングライターです。人によってはThe Beatlesのジョン・レノン、ポール・マッカートニーと比べる人もいますが、彼らと違ってOasisの場合は作る人と歌う人とに分かれています。
もちろん兄のノエルも歌を歌うし、弟のリアムも曲作りをするんですが、ソングライターとしての能力に恵まれていた兄と、カリスマ性があって惹きつけられるような声を持つ、やんちゃな弟と、キャラ分けもはっきりしていました。
彼らの「Don’t Look Back In Anger」は今のイギリス人たちにとって「第二の国歌」という位置付けとも言われています。2012年のロンドンオリンピック閉会式で、弟のリアムが結成したBeady Eyeというバンドが出てきたんですが、その時もOasisの「Wonderwall」を歌い、観客みんなで大合唱という場面がありました。
「絶対あり得ない」もいつか好転することもある
Oasisは、ギャラガー兄弟が喧嘩を何度も繰り返していて、YouTubeなどでも演奏の途中で兄弟のどちらかが機嫌を損ねてしまって、特に弟のリアムが歌うのを止めてステージから消える所とか、結構そんな映像がたくさん残っています。
茶番みたいなことも何回もやっていて、僕は当時「Oasis命」という距離感では曲を聴いていなかったので、「なんかまたやってんな」「何か話題作りじゃないかな」みたいに感じていました。変な言い方ですが「兄弟喧嘩と言えばOasis」という評判は世界中に広まっています。
今回の再結成に関しても、まずノエルとリアムがそれぞれのSNSで「27.08.24」「8am」という日時が入った同じアートワークをポンッと出して、それが結局、来年夏の再結成発表のタイミングを示していて、それからようやく公式にツアーを行うことが発表されたんですね。
このことから私達は何を学び取れるかというと「(再結成なんて)もう絶対あり得ない、とみんなが思い込んでいることが、いつか好転することもある」と言うことだと思いました。
ちょっと真面目な話をすると、彼らはいつも兄弟の確執というプライベートの感情をぶちまけてきただけのように思われていますが、社会情勢に対しての発言もたくさん残していて、その時々の政権についても忌憚なく意見を表明しています。
その彼らが今、地球を取り巻く状況に対して、無関心であるはずではなくて、本人たちがこの雪解けを見せることで、ロックセレブリティにしかできないことをこれから始めようとしているのかなという気がします。つまり「争いを止めよう」という意思表明ですね。