人類が持っている重要な武器

「参考にすべきではあるけれど、予知情報ではない」という一見、分かりにくい南海トラフ地震臨時情報。
杉山准教授は、「ひとつの武器」という視点で捉えてほしい、話します。

九州大学・杉山高志 准教授(防災心理学)
「一番大事なところは捉えようがない地震の発生に対して何らかの武器を持つというそういう視点が大きく作用しています。
今現在地震が発生することを予知することは不可能だというふうに言われています。
しかしながら、全く手立てがないかというとそうではありません。臨時情報も実は私達人類が持っている大事な武器のひとつなのです。」

水や食料の備蓄、普段の備え確認を

この武器をもって、基本に立ち返ることが大切だと指摘しました。

九州大学・杉山高志 准教授(防災心理学)
「一番大事なことは普段から行っている基本にもう一度立ち返るということだと思います。すなわち、何か新しいことを始める必要はありません。普段から行っている家具の固定でありますとか、食料・水の備蓄でありますとか、あるいは家族等の安否確認方法の改めて再認識でありますとかそういったことを十分に行うということが大事だと思います。
寝ている寝室にある家具の固定を十分にしているか、避難する経路に倒れてくる家具がないだろうか、もしくは古いおうちに住まれている方は自分が住んでいるおうちが、旧耐震なのか新耐震なのかということを改めて見直す、だとか。
さらに沿岸域に住んでいる方に関しては自分が住んでいる方ところが津波浸水域なのか否か、沿岸域でなかったとしても山がちなところ、土砂災害警戒区域に住んでいる方は地震による揺れによって山が崩れてこないかどうかということを見直す必要があるというふうに思います」