五輪のニュースに一喜一憂する日々が続く。RKB毎日放送の神戸金史解説委員長は、「日本の選手が負けると腹が立って」と言う知人に驚いたという。8月6日に出演したRKBラジオ『田畑竜介GrooooowUp』で、五輪とナショナリズムについて考えた。

「負けそう…寝よう!」

神戸金史解説委員長:先週末に知り合いと雑談をしたんですが、オリンピックの話題ばかりでした。今、すごく盛り上がっているし、選手も頑張ってくれていて、試合も胸打つものも多いですね。僕はそんなにスポーツのファンというわけじゃなくてあまり見たことないから、逆に「フェンシングすごいな!」とか思いますよね。ところが、その知り合い。夜中に日本が負けた試合があったそうですが、ラストゲームで0対4くらいの差がついてきたので「見るのを止めて、もう寝よう!と思って寝たんですよ」と。聞いたら、結局最後は1点差まで迫った試合になったらしくて、「それはいいところを見損なってますね、残念ですね」と話をしたんです。そうしたら「いやいや、寝てよかったんですよ」

日本選手に腹が立つ理由

神戸:「え?何で?」「負けた試合、見たくないじゃないですか」「いや、負けたから残念だけど、いい試合だったら『よく頑張ったな』と思うし、やってくれてよかったと思いません?」と言ったら、「いや、腹が立ってもう寝られなくなるんですよ」。

神戸:どうもよく分からない。「…何に腹が立つんですか?」と聞くと、「その選手にです」。「いい試合をしてくれた選手に腹が立つんですか、どうして?」と聞いてみました。どうも、「国を代表して五輪に行っているのに、負けやがって」という気持ちが、ふつふつと憎しみのようにわき上がってくるらしいんです。

神戸:初めはわからなくて、「腹が立ったら寝られなくなるから」と言うので、「そんなもんかな」と思ったんだけど、よくよく話を聞いていたら、大坂なおみ選手の話が出てきました。「日本選手だというなら、日本語をしゃべれるようになってから名乗れ」とその人が言ったんです。