34歳、二度目のプロポーズ

一方、プロポーズを断った彼とはその後も、時々連絡を取り合う関係が続いていた。34歳の夏、なんとなく電話で話をしていた時に、ふと「この人と話していると自然体でいられて楽だな」と感じたという。
すると…

「あのさ、君と結婚したいと言う男は僕しかいないと思うよ。もういい加減諦めたら?」という二度目のプロポーズを受け、結婚を決意する。

ようやく結婚を決意した香織さんだが、両親は反対した。

八尾香織さん
「彼の出身地が関西なので『娘が本州側に取られてしまう』という寂しさもあったようです。ずっと独身のまま自分たちの面倒や兄の介護をしてもらおう、という気持ちにもなっていたようで。20代までは『普通の幸せを見せてくれ』と結婚を急かす発言も多かったのですが、いざ結婚を決めると自分たちの都合で反対…勝手なことを言うわね、と思います」

一方、彼の両親をはじめ親族からの反対は全くなかった。結婚前から義父母とは面識があり、良好な関係を築いていたため反対するどころか「やっと一緒になってくれた」と喜んでくれた。

八尾香織さん
「恵まれ過ぎている話ではありますが、彼のお母さんは障がい者施設に長く勤務していた人で、理解がとても深い人。『私、障がいがある人と仲良くなるのが得意よ』と言ってくれた時、本当に嬉しかったです。」

そんな優しい義父母にあやかりたいと、ふたりが挙式した神戸市の生田神社で結婚式を行った。

八尾香織さん
「それまでは色々な困難がありましたが、道が開ける時は簡単に開くものなのかも…なんて思っています。」