デジタル分野支援で中国をけん制

カンボジアの重要度といえば、そのカンボジアと緊密な関係にある、中国をけん制するためにも、日本もさまざまなアプローチを続けている。

冒頭の話に戻る。日本がカンボジアのデジタル分野で協力していく、という取り組みは、カンボジアの政府や企業のためだけではない。一般の市民を含め、インターネットを使った日々の活動を向上させていくために欠かせない。このような取り組みがカンボジア国内で浸透していけば、国外へ向けたネット犯罪にも効果があるはずだ。

橋や道路などの建設と同様、これも重要なインフラ整備だ。同時に、中国が影響力を広げようとしているのを視野に入れながら、日本はこの分野で支援していこうというものだろう。

日本では猛暑が続くなか、屋内にいる時間が多い人もいる。家やオフィスにいて、パソコンに、内容が疑わしいメールが届くこともあるだろう。発信元が海外の場合も少なくない。パソコンやスマホに向き合うことも多いだけに、この夏、要注意だ。

◎飯田和郎(いいだ・かずお)

1960年生まれ。毎日新聞社で記者生活をスタートし佐賀、福岡両県での勤務を経て外信部へ。北京に計2回7年間、台北に3年間、特派員として駐在した。RKB毎日放送移籍後は報道局長、解説委員長などを歴任した。