国土交通省が、太田川上流部に新たな治水ダムの建設を検討していることがわかりました。

31日、国土交通省 中国地方整備局は、太田川の洪水調節機能を高めるため、河川整備計画の変更案を議論する専門家との懇談会を広島市で開きました。
この懇談会で、中国地方整備局は、安芸太田町の太田川上流部に新たなダムの建設を検討する計画案を示しました。今後、気候変動に伴って想定される降水量の増大に備えたい考えです。
また、懇談会では新規ダムの検討にあわせて、すでに設置されている発電ダムなどの有効活用の計画案も表しました。
新しいダムの建設が実現すると、広島県内初の治水専用ダムとなり、太田川水系では支流の滝山川にある温井ダムに続き、国交省直轄としては2つ目となります。

国土交通省 太田川河川事務所 平野明徳 事務所長
「きょうも専門家からのご意見もちょうだいしました。あとは関係機関からの意見も調整するという手続きもございます。そういうものを踏まえて事業は進めていくべきものだと認識していますので」

ダム建設をめぐっては、災害への備えにつながる一方で、コスト面や環境への影響、地域住民の家屋の移転が必要になるなどの課題もあり、慎重な検討が必要となります。
国交省は、関係機関との意見交換を重ね、7月中旬に河川整備計画の変更を行う予定です。