「ペットボトルのお茶」が今月から値上げされました。一本の価格は237円。背景にあるのは、「抹茶ブーム」の陰で生産の現場が弱っている現実でした。
今、お茶が高騰しています。今月、値上げされたのは、伊藤園やコカ・コーラの緑茶製品です。「お~いお茶」の希望小売価格は3年前は税込みで172円でしたが、今回237円に。
街の人は…
「もっと高くなるんですか。マイボトル、頑張ります」
値上げの主な要因は容器代や燃料費の高騰ですが、さらに追い打ちをかけるのが…
広島市の武家茶道上田宗箇流監修によるSOKO CAFÉです。平日にもかかわらず抹茶を扱った飲み物などを飲むお客さんで賑わっていました。世界的な抹茶ブームもあり茶葉自体が不足しているのです。業界にとっては追い風に見えますが、現場は深刻な危機に瀕していました。
先月、静岡の茶園を訪れた鈴木農水大臣。目にしたのは耕作放棄地です。お茶はおよそ4割は「中山間地」で作られるため、機械の導入が困難です。高齢化もあり、お茶の生産量は7年前から比べると、およそ17%も減少しています。
佐藤園 瓦谷健社長
「価格競争力とか、生産性というところでは、勝てない」
ただ、こうした課題を乗り越えようとする取り組みも広がっています。春に向けた準備がすすむ埼玉県の茶園。使われているのは、AIで茶を摘む時期を判断するツールです。
伊藤園 村松浩明さん
「葉っぱを合わせたところで撮りますと、まだ摘採するには早いのかというような判断ができる」
飲料大手の伊藤園が実証実験を行っているもので、この作業にかかる時間を手作業のおよそ5分の1に短縮できるといいます。
伊藤園 村松浩明さん
「お茶は一度、面積が減ってしまうと、なかなか回復するのは難しい作物。生産者の負担を減らして少しでも長く続けてもらう」
こちらは広島市のお茶を扱うお店「茶の環」です。
茶の環 大淵馨社長
「京都産の宇治抹茶を商品に使ってきたがそもそも原料の確保が難しい、価格も三倍以上のものが出てきたりして商品に使うのが難しくなった」

赤枠で囲った抹茶が、この店で使っている抹茶です。例えば「宇治抹茶」と名乗れる低価格のものもあります。価格は10分の1程度となります。しかし色が薄く質も悪いものとなります。

抹茶の質を落としたくないこちらの店では茶の鑑定士と相談し、宇治抹茶だけでなく国産の別の抹茶も加え、価格を抑えながら同じランクの抹茶を作り直してもらいました。

抹茶味だけだった4個入りのもみじまんじゅうは、半数をほうじ茶味にしてセット販売も始めましたが…
茶の環 大淵馨社長
「ほうじ茶というのも、弊社仕入れの価格で倍になってしまいまして」
抹茶ブームで抹茶原料のてん茶の生産に切り替える農家が増え、ほうじ茶の原料が少なくなったためです。大淵社長は販売する価格を検討しながら引き続き、原料確保に努めたいと話しています。
茶の環 大淵馨社長
「原料不足というのは、僕が思うにあと2年ぐらいは続くのではないかなと思っています。ただ、中国の抹茶の台頭であったり、世界の抹茶の需要がどこに流れていくかということで、今後の見通しというのは大きく変わってくるかなと思います」

当たり前にあった抹茶。原料確保のための様々な取組みが続けられます。



































