学生たちに学びと体験を届ける「RCCスクール」が、先週、安田女子中学高校(広島市)でありました。

指揮者 西本智実さん
「冒頭のトランペット、とってもよかった。そのニュアンスです。だんだん発音をはっきりさせてみて。これ、ポイント」

世界を舞台に活躍する指揮者・西本智実さんによる「広島一 受けたい特別授業」です。

安田女子中学高校 管弦楽部 顧問 亀崎えりか 教諭
「ぜひ、本物をという体験させたいなという思いで応募させていただきました」

安田女子中学高校 中学合唱部 顧問 吉野谷直子 教諭
「一振りしただけで子どもたちの感性がすーっと、そこに伸びていく」

授業では、合唱がついた「鶴たち」という旧ソ連時代に作られた楽曲も学びました。作詞のモチーフになったのは、広島と折り鶴です。

指揮者 西本智実さん
「広島の悲しみ、そういったことをもとに作られた作品の存在であって…」

きょうは、『マエストロと学生たちで作り上げた音』。特別授業に込めた西本智実さんの思い』に迫ります。

西本智実さんは、ことしの「第九ひろしま」の指揮者です。今週18日(日)が演奏会。その準備のため、広島入りしたタイミングで特別授業が行われました。
「鶴たち」という曲は、第九ひろしまで演奏されますが、RCCスクールの授業でも取り上げられました。広島の悲しみを題材にした旧ソ連の楽曲だということで、選曲にあたっては西本さん自身からリクエストがあったようです。

西本智実さんは、ロシア国立サンクトペテルブルク音楽院などで学んだ後、各国を代表するオーケストラ、国際音楽祭などに招かれ、世界を舞台に活躍している指揮者の1人です。

指揮者 西本智実さん
「なかなか、きょうは、みんなで本当に工夫して取り組んでくださって、リハーサルで本当に胸が熱くなりました。ありがとう」

「広島一受けたい特別授業」の教室は、安田女子中学高校の大ホールです。合唱と管弦楽あわせて3つのクラブで挑んだ初めての合同演奏です。

聴いた人たち
「すごく、みなさん、まとまっていて、すばらしかったです」

「学生さんの管弦楽は初めて聞かせていただいたんですけど、すごく感動しました」

世界的な指揮者から直接、指導を受けられる、またとない機会。「鶴たち」の練習にも熱が入ります。

こちらは、合唱パートの練習です。

中学合唱部 土居帆乃愛さん
「平和というと広島だし、(『鶴たち』は)わたしたちに合った曲だと思うので」

中学合唱部 川端湖子さん
「歌詞は少ないんですけど、そのぶん高校生の先輩方が歌う歌詞に注目して、思いを込めて歌っています」

「鶴たち」は、旧ソ連(ダゲスタン共和国)の詩人ラスール・ガムザートフが、広島を訪れたときの印象をもとに詩を書きました。


のちにウクライナの音楽家ヤン・フレンケルが曲をつけ、旧ソ連のヒット曲になったそうです。