サイクリングなどを目的に多くの外国人観光客が訪れる広島県尾道市…。交通ルールの違いから事故やトラブルになるケースもあるようです。そこで日本の自転車の交通ルールを知ってもらおうと、警察などがチラシを配り注意を呼びかけました。

JR尾道駅前のレンタサイクルにできた長蛇の列…。並んでいるのはほとんどが外国人です。

警察官
「プリーズ トラフィック ルール(交通ルールをどうぞ)」

自転車の交通ルールを改めて知ってもらおうと、地元の警察署員など10人ほどが、外国人サイクリストに英語や中国語などで注意事項が書かれたチラシを配りました。

ニュージーランドからの観光客
「ニュージーランドとルールが似ています。私たちも左側を走ります」

オーストラリアからの観光客
「自転車専用の道があるのは素晴らしいことだと思います。オーストラリアには自転車専用の道はあまりありません。道路の脇を走るだけです」

年々、増加傾向の尾道市の訪日客。2024年は過去最多の52万8300人が訪れました。レンタサイクル事業を担う官民組織「しまなみジャパン」によりますと、尾道市内で自転車を借りた外国人客は2024年度、約3万2800人。2025年度は9月末時点で2万9000人を超え、さらなる利用者の増加が見込まれています。

一方で、外国人による自転車の事故も起きています。尾道市内だけでも出会い頭の衝突など、ことし9月末までに21件の事故が確認されているということです。

東御所町内会 宇根本 茂 会長
「(自転車利用者が)市内でスピード出して行くことはないんでしょうけど、観光客の人は割と尾道は車も多いので、お互い不慣れですよね。右曲がるのか左曲がるのかというところで、お互いに衝突したりですね、そういうのは可能性は十分あると思いますね」

尾道警察署交通課 信永孝之 課長
「並進できる国もあるということなんですけど、それが原因でですね、ちょっと接触したりということも可能性はありますので、日本の交通ルールを確認していただいて安全運転をしていただければ」

県警では今後も、別のレンタサイクル事業者にチラシを配布するなど外国人への呼びかけを続けていきたいとしています。