道路沿いに倒れている高齢女性が、川土手を転がり落ち始め─。とっさに助けに向かったのは、地元高校の野球部に仮入部中の男子生徒でした。「死にたい」と話す女性に、高校球児は「死んだら何もなくなるよ」などと声をかけ続けました。
先月12日午前7時半ごろ、広島県立府中東高校1年の道原寛人さんは自転車に乗っていました。入学したばかり。仮入部中の野球部の練習に向かっている途中でした。

高校到着まで残り1kmほどの交差点で信号待ちをしているところでした。道路沿いに倒れている女性(70代)の姿を見つけました。すると倒れた女性が、川土手の法面を転がり落ち始めました。
道原さんはすぐさま駆け寄りました。しかし、女性は「死にたい」「怖い」などと口にし、川の方に歩こうとしたといいます。すぐに女性の体を引き止め、近くを通りかかった人に「手伝ってください」と声をかけ2人で制止しました。