■ヤンチャなメイと慎重なダイ
一方、メイの方は、かなり積極的にダイに近づきます。
阿部勝彦園長
「メイちゃんはへっちゃらで、(ダイのテリトリーに)入っていって、ご飯が置いてあると、それをパパパッと食べて、ダイくんがアタックというかね、こうやってくると、ハイハイって言って、こっちにメイちゃんは逃げていく」
Q.食い逃げじゃないですか?
「そうそう、食い逃げですよ」

■同居のチャンスは年に3~4回?!
メイとダイが同居できるのは、メイの発情期のみ。見た目ではわからないメイの発情期は、週に1度の血液検査から、およそ100日ごとに数日間しかないとわかっていました。
そんな貴重なチャンスの中、ヤンチャなメイと慎重派のダイは、出会いから1年半・・・。2023年12月の2日間で、2回の交尾が成功しました。

ゾウ担当 佐々木直行さん
「それまでの同居の時にも、(ダイが)メイに対してすごくアプローチしたりとかっていうのが多くなってきたのと、あとダイを外に出す時に大体餌を用意してるんですけど、その時には餌に行かずにすぐにこちらのゲートの方に」
Q.食い気より色気?今日は先にメイに会いたいということ?
「だと思います」

■ゾウの妊娠適齢期って?
一般的に、アフリカゾウは15歳くらいから、栄養状態のいい飼育下では10歳くらいから妊娠可能だと言われています。メイはこのとき、推定24歳。高齢出産のリスクを減らすためには、早めの妊娠が期待されていました。

ゾウ担当 佐々木直行さん
「メイはちょっと嫌なことがあるとすぐこっちへ逃げてしまうんです。で、そうなるとダイは行かれないので、全然接触できないとなると、それでは埒が明かないので。で、そういったダイの行動を見て、もしかしたら今日がメインの発情のピークかなっていう時に、思い切ってメイをこっちの部屋に入れて閉めて、そこで交尾がうまくいったんですね」
獣医師 野々上範之さん
「本当に交尾できるタイミングで一緒にできるかは、担当者さんの本当ある意味カンと技術っていうところがあって、今回すごいなと。正直、同僚ですけど、本当にすごいなと思ってますね」
■妊娠の予感
次の発情期となった3月、メイはダイのちょっかいをするりと交わしました。ダイもメイに以前ほどの関心を示さないことから、妊娠の可能性とも考えられました。
阿部勝彦園長
Q.メイがダイにそっけない?
「そうですね、期待してしまうんですけど」

■様々な方法で妊娠を確認
岐阜大学で実施されている、血中ホルモン濃度の調査でも、4月には、妊娠の兆候がみられました。
安佐動物公園として、「メイの妊娠」を正式に発表したのは2024年8月。エコー検査で、お腹に袋状のものを確認されたからでした。
