海外予報モデル 日本列島への北上を示唆する予想結果も

この熱帯低気圧が発達して台風となり、日本列島に接近する可能性を予想しているのは気象庁だけではなく海外予報機関も予想しています。ヨーロッパモデルのアンサンブル予報でも、気象庁に比べてやや接近のタイミングは遅くなっていますが、来週前半に本州付近へかなり接近する可能性を示すデータが複数出ています。ではアメリカとヨーロッパの予報を見ていきます。

アメリカ軍合同台風警報センター(JTWC)

アメリカ・ハワイにあるアメリカ軍の合同台風警報センター(JTWC)の情報です。ここでは監視すべき対象となりうる熱帯低気圧についての情報や台風となった場合の警戒情報などが表示されます。

20日15時の時点で、気象庁が熱帯低気圧の発生を予想しているのと同じ海域で「96W」として赤色の丸で囲まれています。JTWCでは定めた基準以上に発達する雲のまとまりができると、LOW(黄)→MEDIUM(オレンジ)→HIGH(赤)へとレベル分けして情報を発表します。赤色になると24時間以内に定めた基準以上の熱帯低気圧に発達する可能性が高いことを示しています。

LOW(黄):監視対象ではあるが、今後24時間以内に基準以上の熱帯低気圧に発達する可能性は低い
MEDIUM(オレンジ):今後24時間以内に基準以上の熱帯低気圧に発達する可能性も高まっているが、発達するには24時間以上かかる見込み
HIGH(赤):今後24時間以内に基準以上の熱帯低気圧に発達する見込み

アメリカ海洋大気庁(NOAA)

アメリカ海洋大気庁のアンサンブル予報結果です。気象庁の予想とは異なり、「96W」は北上ではなく西へと進むと予想していて、フィリピンを通って南シナ海へと進む結果が多くなっています。

10月28日(月)21時のアンサンブル予報結果をみると、気象庁に比べると台風20号とみられる熱帯じょう乱を北上させるデータは少なくなっています。一方で別の熱帯じょう乱が日本の南東の海上に予想しているデータも複数存在しています。

【画像を確認】秋雨前線の影響や台風接近も 30日までの雨・風シミュレーション