原爆の「黒い雨」はどこまで降ったのか? 行政が「雨が降ったかどうか確認できない」としているエリアで口々に語られる共通の記憶があります。今回は、行政が認める雨の範囲からわずかに外れた地域の声と、雨の範囲を調査した気象学者の無念の声に耳を傾けます。

今から79年前の原爆投下後に放射性降下物を含む雨が降りました。いわゆる「黒い雨」と呼ばれるものです。この雨に遭ったという人たちが、「被爆者として認めてほしい」として広島市や県などを相手取って争っているのが、「黒い雨訴訟」です。24日も新たに18人が追加提訴して、原告は合わせて64人になりました。

原告の中でも多くの人が雨に遭ったと主張しているのが、当時の「津田町」、現在の廿日市市津田です。

およそ40年前に雨の範囲を調査した気象学者は、この降雨範囲の元になった調査には限界があったと話しました。