病気を個性ととらえ前向きに
橙吾くんは小学2年生。学校では国語と算数以外はクラスの子どもたちと一緒に授業を受けます。この日は図工の時間で読んだ本の内容を表現した絵について、各自工夫した点を発表しました。
クラスの友だち:
「橙吾くんが笑顔で言ってくれてとても話するのが楽しい」

学校では体にあうよう机の下に足を置く台を準備してくれたり、他の児童がサポートしたりして楽しい学校生活を送っています。
松岡小学校 渡辺ゆかり校長:
「橙吾さんのできないことはみんな見てわかりますからいろんな子がいるんだなということは今後いろんな人と出会う中で他の子どもに与える影響は大きい」
橙吾くんは月1回、別府市にある発達医療センターに通っています。難聴や近視の合併症が出る可能性があることから診察では医師から「黒板の字が見えているか」などを尋ねられます。またリハビリでは全身のバランスを高める訓練を行っています。
別府発達医療センター 福永拙センター長:
「歩行の安定化ですね。学校内の移動をより安全にしてもらうためのリハビリテーション医療を提供しています。橙吾くんは前向きですよね。お母さんもそれをしっかりサポートしようという姿勢を持っているので他の人たちと比べて何ら変わりない生活を送っていけると思います」
橙吾くんは成長期にあたる今後10年、脊椎の矯正手術を繰り返し、最終的には100センチから120センチ程度まで身長が伸びるといわれています。
母 菜絵さん:
「『お母さん申し訳ないけど身長の伸びは期待しないで』って言われて薬を投与したところで変わらないと思いますと医師にスパっと言われたので『そっか』という感じでした」

母親の菜絵さんは当初、成長がゆっくりなわが子を他の子どもと比べて気落ちすることもありました。幼児期に受け入れ先の保育園が見つからず苦労しました。しかし、今は橙吾くんの病気を個性ととらえ、ともに成長していこうと考えています。
母 菜絵さん:
「壁にぶつかることも多分彼の中であると思うんですよ。その時に切り替えながら自分が楽しいって思えるところにいけたらいいと思っているので広く体験してほしいと思っています」
是永橙吾くん:
「YouTubeのゲーム実況動画をよく見ている。将来はユーチューバーになって人気者になりたい」
周囲の協力に感謝しながら道を開いてきた是永さん親子。希望を持って前進しています。