聴覚障害がある人にも音楽を楽しんでもらおうと、全国的にも異例といえるライブイベントが、28日に大分県別府市で初めて開催されました。
この音楽フェス『おんせん都市型音楽祭「いい湯だな!」』は大分県別府市内の4会場で開かれ、フジロックに出演した「優河with魔法バンド」をはじめ、「鎮座DOPENESS」「STB(satoshi fujise)」「浪漫革命」など、ライブハウスで話題のアーティスト全19組が参加しました。
今回のフェスは聴覚障害がある人にも音楽を楽しんでもらうことを大きなテーマに掲げています。
(イベント主催者・深川謙蔵さん)
「聴覚障害の人と話して『ライブやフェスに遊びに行っているよ』と聞きました。僕が思っていた耳の聞こえない人たちに対するイメージと全然違う回答が返ってきて、歌詞を楽しんでいるとか、ライブのスピーカーから聞こえる重低音を楽しんでいるっていう話を聞いたときに、僕らとそんなに変わらないなっていうのが最初の印象。そして『みんな一緒に楽しめたらいいよね』っていう純粋な興味みたいなところから始まった感じです」
イベントでは様々な工夫が施されました。ろう学校で実際に使われていて、音に反応して振動や光を伝えてくれる「オンテナ」。この機械を約100個用意して音楽を体感してもらいます。音楽フェスで採用されるのは全国でも初めての試みだといいます。他にもライブ会場にモニターを設置して歌詞を表示させたり、アーティストのMCの手話通訳者を手配したりするなど、イベント主催者の深川さんは実際に聴覚障害のある友人のアドバイスを受けながら準備を進めてきました。
(聴覚障害のある芦刈さん)
「音楽は聞こえない人と無縁だと思っていたけど、深川さんは『聞こえない人も聞こえる人も一緒に楽しんでいきましょう』という気持ちが強く、それが伝わってきて嬉しかったです。『できないから』ではなくて『できないからチャレンジすることが大事』だと思っています」
(イベント主催者・深川謙蔵さん) 「耳が聞こえる、聞こえないに関係なく音楽フェスを楽しんでもらえるっていうところが伝わっていったらいいなと思います。そしてこの取り組みが、他のフェスを企画してる人たちに伝わって、他の地方や世界に広がっていってくれたら嬉しいなって思います」



















