8月も価格高騰の波が押し寄せる中、食卓にはかかせない「野菜」が大豊作に。消費者にとっては買い求めやすい価格になっています。ただ、連日の猛烈な暑さで野菜の実がつかないなどの高温障害が発生していて、今後影響を及ぼしそうです。

毎月のように押し寄せる値上げの波。帝国データバンクの調査では8月も1102品目の価格引き上げが予定されています。大分市のスーパー、新鮮市場花高松店。8月から牛乳の原料となる生乳の価格が改訂されることから、この店でも乳製品を中心に値上げされます。例えば明治「おいしい牛乳」は278円から318円と40円の大幅値上げへ。このほか、江崎グリコも「プッチンプリン」や「BifiXヨーグルト」など、あわせて82品目で最大18パーセントの値上げに踏み切っています。

(来店客)「高くなっているよね。安くなってくれたら一番良いのだけれど」「値上げはもう勘弁してほしい」

(安部記者)「エッグショックとして家計に大打撃だった卵の価格は今後、徐々に落ち着きを取り戻しそうです」

依然として高値が続く卵は新鮮市場でも一部商品が15パーセント程度値下げされるなど、値段は少しずつ下がっていく見通しです。歯止めがかからない価格高騰に消費者は不安の色を隠せません。

(来店客)「また秋以降も上がるだろうし大変」「家計に響いてくるので考えて買っている」

(新鮮市場花高松店・小川直希店長)「客の様子を見ると、かなり絞りながら買い物をしているのが見受けられる。週1回で良いものはお買い得な日を狙ってくれたら少しずつ節約にもなる」

大分市の公設地方卸売市場。場内には威勢の良い掛け声が飛び交っていました。気になる野菜の価格は?

(丸果大分大同青果・岩尾嘉臣野菜部長)「今年は豊作、非常に出来が良いので例年に比べて若干安いのでは。消費者にとっては買いやすい価格になっている」

天候に恵まれたことでピーマンやナス、トマトといった夏野菜は大豊作に。去年より2割ほど安値を付けています。また、7月に県内を襲った記録的な大雨の影響で日田産のスイカが品薄となっていますが、県外産で補えていて価格には影響が出ていないということです。

(丸果大分大同青果・岩尾嘉臣野菜部長)「豊作傾向で今後もお盆の需要期を迎えるが、みなさんぜひ野菜を食べてほしい」

一方、生産者からは今後を懸念する声が―。

(輪中の郷池永農園・池永勝巳社長)「暑いからこういうふうに花が枯れている。実がならない死んでいる」

キュウリをハウス栽培している大分市の池永農園。連日の猛暑で実や葉に高温障害が発生していました。ハウスには遮光ネットを張り巡らせているほか、扇風機と換気扇で風通しを良くしていますが、この日の気温計の数値は38度。適温とされる30度をゆうに超え、生育不良は収穫量の3割にのぼっています。

(輪中の郷池永農園・池永勝巳社長)「農産物はなかなか値上げができないし、資材・人件費の高騰で農家にとっては三重苦、四重苦で本当に厳しい。農家のことを少しでも考えて大分市産の農産物を買ってもらいたい」

さまざまな分野で影響が広がっている価格高騰の波、猛烈な暑さによる野菜の生育不良。頭を悩ませる日々はまだまだ続きそうです。