吉川選手の家族「バッティングマシン」寄贈
今年5月、春の2つの公式戦で大分舞鶴と大分商業に敗れ、チームとして伸び悩んでいたところ、孝成さんの家族がバッティングマシンを寄贈しました。家族の『孝成のマシンで打てるようになってくれたら』という思いを受け、選手は『孝成が投げてくれるからには打たなければならない』と奮起し、課題だった打撃力が向上しました。
西村元希主将
「孝成のマシンを打つときにはいつも勝負してるような感覚でバッティングしてます。同じところに一定に来ないのは、孝成が『お前ここが苦手なんだから、ここを打っとけ』という感じで多分投げてくれているんだと思います」

夏の県大会では5試合38得点で優勝し、今年のメンバーは「孝成とともに」甲子園出場を決めました。その打線には4番・キャプテンの西村元希を中心に、長打力のあるバッターがそろっています。
西村元希主将
「県大会では自分の思うような結果というのは全然出せてない。チームのみんなに助けられた部分がものすごく多かった。自分は去年も甲子園を経験させてもらってる分、チームに貢献してここぞの一打を打てるように、もう1回準備してチームを勝たせたいと思います」
そして吉川さんと中学時代からチームメイトの8番・西川昇太(3年)は夏の県大会で16打数10安打、チームトップの7打点を記録し好調です。
西川昇太選手(3年)
「追い込まれてから食らいついてヒットにするというのが自分の持ち味だと思います。打席に入るときは孝成が打たせてくれるんじゃないかなと心の面でも支えてもらいましたし、甲子園は孝成のために戦いたいと思います」
目指すは甲子園ベスト4以上
一方、投手陣は2枚看板。最速143キロ、球威のあるストレートとフォーク、スライダーを持つ森山塁(3年)は1年夏から甲子園のマウンドに立ち、経験豊富。県大会では背番号「1」を背負い、最速147キロの真っすぐと、キレのあるスライダーを武器に決勝では大分商業を完封した中山敬斗(3年)の2人です。
中山敬斗投手(3年)
「準決勝・決勝と先発してピンチの場面で、『孝成と共に』と書いた帽子を見て勇気づけられたので、孝成に助けてもらった部分がだいぶありました。自分が抑えて孝成を甲子園に連れて行くという気持ちで投げました。去年、2回戦の一関学院(岩手)戦で先発したけれど、孝成の前でふがいないピッチングをしてしまいました。試合の後に孝成と『次は一緒に甲子園でやりたいな』と話をしたので、孝成が見てくれているという気持ちで、甲子園では良いピッチングを孝成に見せられるように頑張っていきたい」
川崎絢平監督も「今年は負けられない理由がある」と一段と語気を強めるほど
例年以上に熱い思いを持って最後の夏に臨む明豊。記憶と歴史に刻む夏へ、甲子園での戦いが始まります。
西村元希主将
「自分たちの代で大分県大会の歴史も塗り替えて、明豊の歴史も塗り替えて、この代が名を刻めるように日本一を取って、また孝成とマウンドで喜び合いたいと思います」
2001年、2009年、2017年と3度記録したベスト8を超えるため、亡き友とどこよりも長く夏を過ごすため。明豊ナインが甲子園での躍動を誓います。
第105回全国高校野球選手権記念大会は8月3日に組み合わせ抽選会が行われ、8月6日から阪神甲子園球場で開幕します。