『男女』とは身体的な特徴をもって判断

厚労省は6月、公衆浴場における男女の取り扱いについて発表しました。「おおむね7歳以上の男女を混浴させないこと」などと2000年に定めていて、今回の通知では『男女』とは身体的な特徴をもって判断するものであるとしています。例えば『体は男性、心は女性の者』が女湯に入らないようにする必要があるとの考えを示しています。

OBS公式LINEで『トランスジェンダーの人が自認する性別で温泉を利用した場合にどう思うか』についてアンケート調査を実施。825人から回答があり、その結果、約7割近くの人が「抵抗がある」と答えています。

倉堀翔さん
「私が男湯に入ったら、たぶん男性がびっくりすると思うんですけどね。体の話ではないと思います。私は女性として世間から認めてもらえるように努力してきたので」

一方で女性用トイレの利用をめぐる動きもありました。トランスジェンダーの経済産業省の職員が職場で女性用トイレの使用を制限され、国を訴えた裁判で最高裁は11日、国の対応を違法とする判決を言い渡しました。

別府市にある立命館アジア太平洋大学の寮には誰でも使えるオールジェンダーのシャワー室やトイレが一部で設けられています。学生の意見を尊重し去年、設置されました。

立命館アジア太平洋大学・井口由布教授
「ヨーロッパの国々で個室がズラッと並び、どんな人でも入れるようなお手洗いができてずいぶん変わってきているように思う。ただ施設が必要なだけじゃなく、我々自身が勉強して学んでいく必要がある」

倉堀翔さん
「いろんな生き方をしている人がいるので、全員の意見を聞き入れるのは難しいと思います。ただお互いに理解しあい、尊重しあうことは可能なので、みんなが協力すれば誰もが生きやすい環境はできると思います」

別府市は8月にも3回目となる温泉部会の開催を予定していて、さらに議論を深める方針です。

※LGBTのうちLGBはレズビアン、ゲイ、バイセクシャルを指し、好きになる性「性的指向」を意味する。一方で、Tはトランスジェンダー、つまり出生時の戸籍上の性と自分が認識する性別が一致しない人を指す。