世界トップレベルの銅の生産技術を持つ大分市の佐賀関製錬所が新たな物流拠点を開設し、銅のリサイクル事業を強化しています。世界に向けた新しい戦略の狙いに迫ります。

大分市佐賀関にあるJX金属製錬佐賀関製錬所。粗銅の生産能力は年間45万トン。電気銅の生産能力は25万トン。いずれも世界トップレベルの生産規模を誇ります。

製錬所では「銅精鉱」という原料に加えて、携帯電話やパソコンといった、いわゆる「都市鉱山」を活用しています。

リサイクル原料となる破砕された電子機器の集積場


様々な貴金属が含まれる都市鉱山。あのスポーツの祭典でも大きな役割を果たしました。

卓球・張本選手らが手にした、東京オリンピックの銅メダルは、実は大分産です。全国から集めた小型家電をリサイクルしてできた材料を使って、佐賀関製錬所で作られました。

(JX金属製錬佐賀関製錬所・物流課課長 兼 大分リサイクル物流センター センター長下村亮介さん)「すごいものだと思います。実績もそうですし、環境省の認定のスキームに積極的に参画していた恩恵なのかな」

まさに「ものづくりの日本代表」。さらにはリサイクル事業で新たな一手も…

大分港の大在西地区で2021年10月から稼働を開始した「大分リサイクル物流センター」。コンテナ船が行き交い、製錬所からも近い立地を最大限活用して、欧米やアジアなど世界中から銅のスクラップを集め、センターで、圧縮されます。

銅を取り出すためプレスされたスクラップ


1か月の集荷量は多い時で7000トンに上ります。プレスした後はトレーラーに積み込まれ、およそ20分離れた佐賀関製錬所に運ばれます。

スクラップは銅精鉱と酸素の化学反応で起きた熱で溶かされ、熱くなりすぎた炉を冷やす役割も果たします。

最終的に電気分解で純度を99.99%以上に高める、生まれ変わった電気銅が銅線や半導体の部品として出荷されます。

銅線や半導体の部品となる生まれ変わった電気銅


佐賀関製錬所ではリサイクル原料の比率を現在の12%から2040年までに50%に引き上げることで国際的な競争力を高めていく方針です。

(JX金属製錬佐賀関製錬所・竹林一彰所長)「社会の発展に欠かせない銅を含めた金属を社会に安定的に供給するためには資源のリサイクルを推進しまして、資源循環型社会の実現さらには脱炭素への貢献を目指してまいります」

JX金属製錬佐賀関製錬所


世界中で欠かすことの出来ない銅を通じて、大分の地から資源循環の輪が広がろうとしています。