大分市東部に農業用水を供給する昭和井路の水管工事が遅れ、田植えができない状況に陥っています。シーズンを前に農家から憤りや不安の声があがっています。

大分市の松岡地区。農家の筒井三友さん(69)は55年以上前からおよそ50アールの水田でコメ作りを続けています。ただ、2022年は、ある異変が起きているといいます。

(筒井三友さん)「水が通らない。90%は昭和井路の水。ただ1年間放っておくだけ」

稲作には欠かせない農業用水が通らず作付けできない事態に。その原因は井路の工事現場にありました。

(糸永記者)「こちら水管が破裂した工事現場です。看板には5月30日までの工期と書かれていますが、進捗が遅れているようです。奥を見てみますと大量の土が積まれていて横には工事車両や新しい水管も見えます」

2021年9月、大分市下判田で農業用水を供給する昭和井路の水管が破裂。老朽化が原因とみられ、1月、復旧工事開始。田植時期の6月11日までに完了する予定でしたが、資材調達の遅れなどで7月25日までずれ込むことになりました。

1958年に完成した昭和井路。豊後大野市三重町から取り入れた農業用水を大分市東部を中心に供給しています。

工事の遅れで、松岡地区や明治地区など160ヘクタールで作付けできず、およそ760人に影響が出る見通しです。

筒井さんが工事の遅れを知ったのは田植えの1か月前の5月11日。すでに苗も発注済みで、説明が遅いと憤りを感じています。

(筒井さん)「最悪やな。通らなくてもいいけど、説明を早くしてもらいたかった」

昭和井路を管理する土地改良区は、農家に対し作付けができない分は所得補償すると説明。ただ、具体的な内容は示されず、7月下旬から田植えを初めても日照時間が足りないため、筒井さんは2022年の作付けを断念しました。

(筒井さん)「悔しい。自分で食べるコメはなければないで買ってくればいいけど、個人契約していると信用問題に関わってくるからみんな困る」

(県農村基盤整備課・安東正浩課長)「農家の不安を解消して、補償対象の人に対する対応とともに早期復旧を目指していきたい」

田植えの時期に水が利用できない前代未聞の事態。一日も早い復旧と農家にとって納得のいく対応が望まれます。