全国的に増え続けている空き家。大分県内では住宅に占める空き家の割合が全国平均を上回る16パーセント、7軒に1軒にのぼり中には管理されず地域に悪影響を及ぼすケースもあります。
築100年以上の古民家を活用したゲストハウス「朝山家」。5年前、地域おこし協力隊として県外から豊後大野市に移り住んだ日浅さん夫婦は1年ほど前に念願の民宿をオープンしました。
朝山家・日浅紗矢香さん「老朽化していたが景色が良くていい気が流れていた。地域の方もウェルカムでやさしくそういうところにもひかれた」
住人の高齢女性が施設に入居することをきっかけにこの家が空き家になることを知り、2人は半年間賃貸で借りた後、購入。その間床下や屋根裏の状態を調べたといいます。
日浅紗矢香さん「床下と屋根裏は見てみないと状態がわからないが一番大切な部分シロアリがいないかとか確認してから購入した」
コストを下げるためリノベーションはすべて自分たちの手で行いました。
日浅紗矢香さん「竹炭は自分たちで作ってそれをパウダーにして青い顔料と漆喰とパウダーを混ぜてこの色を作った」
歴史ある家に調和するよう壁の色や素材にこだわりました。民宿の利用客は週末のみの営業で1年間でおよそ200人。若い人のリピーターが多いということです。
日浅紗矢香さん「若いというのが自分たちのポイントになると思うのでここでしっかりと子どもを育てて住み続けるというところが一番大きい」
国の調査によりますと、県内の空き家は9万7700戸にのぼり増加傾向です。住宅数に占める空き家の割合は16.8パーセントと全国平均を上回っています。
空き家問題を専門に扱うNPO法人「空き家サポートおおいた」。建築や不動産業者、税理士などで構成されています。空き家の問題は相続や解体など多岐に渡ることから市町村とも連携し様々な相談に対応しています。
NPO法人空き家サポートおおいた・山崎真司代表理事「ハードもソフトもワンストップで解決できるのがメリット。息子の世代が大分にいないとかいざ空き家になってから本格的に考えることが実際は多い」
長い間、管理が行われない住宅は壁や屋根が崩落する危険や火事や犯罪のきっかけとなる可能性もあり、周囲の環境に悪影響を与えることになります。大分市郊外に位置する富士見が丘団地。開発から50年経つこの団地では高齢化に伴い空き家が目立ちます。自治会の防犯活動は活発で、内閣総理大臣賞を受賞。自主パトロール隊が夜間の見回りをしています。
富士見が丘連合自治会防犯部・田尻静夫副部長「大体1時間、月2回ぐらい空き家なのに鍵がついたままとか公民館に行って家主に連絡するとかそういうのはみてます」
住民から空き家の草木が境を越えているといった情報が寄せられた時は自治会から所有者に連絡し対処してもらう体制をとっています。
田尻静夫さん「私たちは日頃回っているので関心を持って見ますけど日頃の方はそこまで関心はないと思う我々が情報発信していく空き家について何かあったら伝えてくださいよと」
増え続ける空き家の問題。地域の力をいかした移住者の受け入れや住民による地道な活動から解決への糸口が見い出せるかもしれません。






 
   
  















