ウクライナへの侵攻を巡って対立を深めているロシアとアメリカの間の “核軍縮条約”について、ロシアのプーチン大統領が一方的な停止を表明しました。
長崎市に落とされて以来、実戦では使われていない核兵器が三度使用される危機がさらに高まっています。

長崎被災協 田中重光会長:
「アメリカとロシアの核超大国が一つだけ残っていた条約を履行停止というのは怒りというか…(一体)何を考えているのか」
ロシアがウクライナへの侵攻を開始してあさってで一年。


プーチン大統領は21日の年次教書演説で「戦争を始めたのは西側だ」と自らの正当性を改めて主張し、侵攻を継続する考えを示しました。
プーチン ロシア大統領:
「彼らが戦争を始めたのです。我々は力を使ってその戦争を止めるために努力しています」
この一年、核兵器使用の可能性を示しながら侵攻を続けてきたプーチン大統領は欧米諸国によるウクライナへの軍事支援を激しく非難した上で、アメリカとの間に唯一残る核軍縮合意『新START』の履行を一時的に停止すると表明。

さらに「アメリカは新たな核兵器を開発している」「アメリカが実験を行えば私達も行う」と述べ、1990年以来となる核実験再開の可能性にも言及しました。

長崎被災協 田中 重光会長:
「核兵器では何も解決できない、武器では何も解決できないんですよ。この流れを止めなければ第三次世界大戦が起こるんじゃないか」
世界の核兵器の9割を持つアメリカとロシアの対立が、核軍縮の停滞と軍拡競争につながる懸念が広がっています。