“レジリエンスなまち”評価の長崎市が取り組むべきは
【住】一方で記事で直接舞台として取り上げられた「長崎市」はどうでしょうか。

【平】ニューヨーク・タイムズへの掲載を受けて、2月の長崎市の会見では欧米やオーストラリアからのインバウンド拡大のため平和・観光魅力発信事業費として2,000万円の予算を充てることが発表されました。
具体的には、国内外メディアの招へいや、映像制作・情報発信、アメリカの現地でのプロモーションが事業として示されました。
【住】この取り組みについて、平家さんはどうご覧になりますか?
【平】あえて厳しいことを言わせていただきますと、相変わらず「プロモーションをやれば良い」という考え方から脱却できていないように感じます。

観光客を呼ぶにしても、考えるべき順番があるんです。まず「ターゲットは誰か」今回は欧米豪のお客様ですね。次に「長崎に来て何をしてもらい、何にお金を使ってもらうのか」。そして最後に「そのために何をするのか」。この順番で考えて行動しないといけません。
【住】単に発信するだけではなく、具体的な消費の目的と受け入れ態勢をセットで考えるべきだということですね。

【平】長崎市の鈴木市長は、以前より「サステナブル」、「グローバル」「デジタル」をキーワードにされていますが、今回の件をこれに当てはめると、欧米やオーストラリアに訴求し、「グローバル」に長崎の良さを知ってもらい、継続的、つまり「サスティナブル」に長崎に来ていただき、来崎者の利便性を高める「デジタル」分野の拡充を行うということだと思います。

長崎市の経済再生アクションプランにおいては、多言語対応ガイドの育成、多言語通訳システムを活用した観光案内機能の強化、民間交通事業者におけるタッチ決済導入の支援など、受入体制の充実を図ってきていますが、プロモーションだけでなく、多言語化対応、キャッシュレス化、国際線、二次交通や付加価値の高い着地型観光商品の拡充などをさらに進めていく必要があると思います。

欧米やオーストラリアの旅行者が「何を求めているのか」「何に不自由を感じているのか」といったことを他地域の事例も調べて、長崎に足らないものを早急に補わなければならないと感じます。いつも申し上げていますが「マーケット イン」の視点が必要です。
ニューヨーク・タイムズに選ばれた鮮度は今がピークで、賞味期限は1年です。紹介された民間施設に頼り切って、手をこまねいていれば、このビッグチャンスは通り過ぎてしまいます。今後の長崎の観光のためにも今年は「勝負の1年」になると思います。
【住】世界的評価を、確かな熱気と経済効果につなげて欲しいですね。ウイークリーオピニオン、ここまで平家達史NBC論説委員とお伝えしました。











