「どういうことか説明できる?」父親に打ち明けた日

夏前、学校から「出席日数が足りずこのままでは進級できない」と連絡が入った。

御手洗さん:
「父親が学校から届いた紙を出して『ちょっとどういうことか説明できる?』って言われた時に、もう話さないとだめだと観念しました」

「初めて父親に、自分は保健室登校している。なぜか分かんないんだけど教室に行くことができないんだと伝えました。そこでやっと親に対して、自分が今とてもきつい状態にあるという事実を伝える最初のきっかけになりました」

学校を中退 病院巡り、でも…

その後御手洗さんは学校を中退。父親と一緒にいくつかの病院をまわりカウンセリングを受けた。

御手洗さん:
「どの病院でも同じことを言われる『どうぞお話しください』って。…これが何の話をしたらいいか分からない。この人に対して自分は何を伝えたらいいか全くわからない。とりあえず事実として自分の家で起きたこと、自分が体験したことを話す。何度病院を巡っても同じことの繰り返し…」

今回の公演で聞き手をつとめた長崎犯罪被害者支援センターの前田理事長は、「警察や病院で何度も同じ話を求められることが、被害者を追いつめている」と語り、どこかひとつに話をすればつながっていく体制の必要性を指摘した。

兄は被害者支援についての要望として、会場に次のように呼びかけた。