住吉 光アナウンサー(以下、住)「長崎の#暮らし#経済ウイークリーオピニオン。今週も平家達史NBC論説委員とお伝えします」
平家 達史 NBC論説委員(以下、平)「よろしくお願いします、今日のテーマはこちらです」

 成人年齢引き下げ 何が変わる?

今月から施行された改正民法で、成人年齢が20歳から18歳に引き下げられましたので何がどう変わるのか、まとめます

(住)そもそも、なぜ「18歳」なんでしょうか?
(平)世界の成人年齢をみますと「18歳」が主流です。


そういう意味では、日本も「世界標準」になったとも言えます。また日本では先に選挙権年齢が18歳に引き下げられていますが、これに合わせて若者の自主決定権を尊重したり、積極的な社会参加を促す狙いもあります。

(住)"18歳から成人"ということはできることが増える一方で、大人の責任も伴うということですよね?
(平)そうですね。今回の成人年齢引き下げで何が変わって何が変わらないのか簡単にまとめました。

※図中 、正しくは「国民年金」

(住)こうしてみると「変わらないこと」も結構あるんですね。飲酒、喫煙、それから国民年金への加入義務は、今まで通り20歳を過ぎてからということですね。
(平)これ以外に、競馬や競輪といった公営ギャンブルができるのも20歳以上のままとなっています。
一方、「変わること」の方は
・まず10年パスポートが取得できるようになる
・女性の結婚可能年齢が18歳以上になる
などがあるのですが、中でも私が気になっているのが、親の同意なしでこれらの契約ができるようになるということです。

もちろん契約が自分ひとりでできるということは、本人にとって手続きが簡単になり利便性が高まるというメリットがあります。
しかし一方で契約をめぐるトラブルに巻き込まれるリスクも高まることが懸念されているんです。

この点について専門家に話を聞きました。
消費者トラブルに詳しい今井 一成 弁護士です。

崎陽合同法律事務所 今井一成弁護士「これまで20歳未満の子たちというのは”未成年者取消権”…親の同意のない契約は取り消すことができたんですが、この保護がこれから先はなくなってしまう」

これまでとの大きな違いは、たとえ未成年であっても、一度、契約を結んでしまうと取り消すのが難しくなることです。
そして、それをいいことに、社会経験の乏しい若者に高額な契約を結ばせようとする悪徳業者が出てくることが懸念されています。

音崎陽合同法律事務所・今井一成弁護士「18歳過ぎたから直ちに大人と同じ判断能力とは必ずしもなりません。判断力不足につけこんで契約するという輩が出てくる、そこが怖いですね」
「最近はスマホ・SNSといったものを利用した情報商材、"これやったら儲かるよと、ただお金がたくさんかかるよ”と、こういったものが心配されますね」

(住)ここまでの話をまとめますと、これまでは・18歳、19歳の契約には、親の同意が必要・親の同意なしに契約した場合は「未成年者取消権」で簡単に契約を取り消せる、ということでした。


しかし今月1日以降は
・1人で契約ができるようになり
・未成年との理由で契約の取り消しはできなくなる、ということですね?

(平)はいここで注意して欲しいのは、高額商品をクレジットカードやローンで購入する場合は、"借金である"と認識して、自身の支払い能力を超えた契約を結ばないということです。サブスクリプション=サブスクの契約も同じです。
(住)高校生から大学生や社会人になったという環境の変化で、気が大きくなることには気をつけなければなりませんね。

(平)今回の法改正を当事者の若い人たちはどう受け止めているのか聞いてきました。

長崎大学生

19歳学生「(クレジット)カードはつくりたいです」
記者(どうして?)
19歳学生「ネットで買い物するときにコンビニ支払いは手数料がかかるから」
記者(不安は?)
19歳学生「それはあります。リボ払い?借金しちゃう、みたいな(ところが)」

18歳学生「大学生になると、みんなバイトとかして自分で稼ぐとかなるので、自分で大きな買い物をしてみたいなとは思う」

19歳学生「まだ実感がないまま、大人になってしまっている感じ。自分で間違った契約をしたりしないように、親とかに色々聞いたりしながらやっていかないといけない」

18歳学生「自分で決定できるというのは大人になった感じがするんですけど、まだ知らないことばかりなので不安の方が大きいです」

(住)手数料やリボ払い、などしっかりした受け答えでしたが、"不安"という声もありましたね?
(平)そうですね。未成年者に気を付けてほしい「消費者トラブル」については国民生活センターが10の事例をあげて注意喚起をしています、それがこちらです

(1)副業・情報商材などの”もうけ話
(2)エステや美容医療など”美容関連
(3)健康食品や化粧品などの”定期購入
(4)誇大な広告や知り合った相手からの勧誘など”SNSきっかけ
(5)出会い系サイトやマッチングアプリの”出会い系
(6)デート商法などの”異性・恋愛関連
(7)就活やオーディションなどの”仕事関連
(8)賃貸住宅や電力など”新生活関連”トラブル
(9)消費者金融やクレジットカード、リボ払いなどの”借金・クレカ
(10)スマホやネット回線などの”通信契約

悪意のある業者は、あの手この手で未成年者に契約を結ばせようとすることが予想されます。今井弁護士にアドバイスを伺いました


音崎陽合同法律事務所 今井 一成 弁護士「親御さん、お子さん両方に共通するものとして、消費者被害・消費者トラブルは常に身近に潜んでいると。私は絶対大丈夫、うちの子は絶対大丈夫というのはありません」
「若い人たちに対して言いたいのは、やはり儲け話というのは何かしら裏がある、そしておかしいと思ったらだまされる前に危険からは逃げる、これが一番大事だと思います」

未成年者の契約トラブルを防ぐために"本人と家族の意識の向上"は欠かせませんが、"社会全体での見守り"も一つの抑止力になると、今井弁護士は考えています。

今井 弁護士「社会の中で18歳、19歳の子たちが普通に契約できる、車が運転できるのと同じように契約できるようになってますけど、"若葉マーク"初心者マーク付けた状況の子たちですので、そこは私たち20歳以上の、先に大人になった人たちが優しくフォローしてあげるべきなんだろうなと思います」

(住)私たちもそうですが、やはり契約に際しては "慎重に検討すること" そして 1人で契約できるようになったとはいえ、契約内容など "周りの大人に相談" した方がよさそうですね?
(平)そうですね。即決即断せず、商品やサービスの中身をしっかりと確認することです。今はインターネットで調べれば、商品の評価やトラブル事例はかなり出てきます。

(住)万が一、消費者トラブルに巻き込まれてしまった場合の対応も大切ですよね?
(平)今井弁護士は、各地の消費生活センター・電話番号188、もしくは弁護士へ相談することをすすめておられました。
一人で抱えることはせず、深みにはまる前に相談することが大切だと思います


年齢が18歳になった途端に、一夜にして経験値や、判断能力がハネ上がることはありません。一方で、虎視眈々と狙っている悪徳業者がいることは忘れてはなりません。とにかく『契約もの』には要注意です

(住)平家達史NBC論説委員とお伝えしました。