長崎原爆が投下された80年前の記憶を次の世代へ。これからの平和を担う長崎の若者たちが過ごした被爆80年の8月9日を追いました。

9日朝、爆心地公園で行われた集会には全国の高校生平和大使などおよそ40人が参加。手と手をつなぐ「人間の鎖」で原爆落下中心地碑を囲み、平和への思いを共有しました。

高校生平和大使 小久保沙羅さん「抑止力の名のもとにいつまで私たち人類は核兵器に依存し続けるのでしょうか?核兵器の存在をなくさない限り真の平和は訪れません」

高校生平和大使 中村心優さん「私たちにしかできないことがあります。被爆者の方々の生の声に耳を傾け、その思いを受け継ぐことです」

爆心地からおよそ500メートル。原爆により児童や教職員ら1400人あまりが犠牲となった城山小学校です。原爆投下の6年後から毎月9日に校内で平和祈念式を開いていて、9日で888回を数えます。

式では、5年生が授業で学んだ原爆の被害などを発表しました。

児童「山王神社のクスノキも熱線の被害を受け被爆したクスノキでしたが堂々と丘の上に立ち、長崎の平和を見守っています」

児童「これからは私たちが平和のバトンをつないでいきましょう」

城山小の児童は山里小の児童とともに平和祈念式典にも参加。総勢100人の合唱を披露しました。

♪クスノキ「我が魂はこの土に根差し決して朽ちずに決して倒れずに」

歌ったのは福山雅治さん作詞・作曲の『クスノキ』原爆に耐え生き延びた「被爆クスノキ」にまつわる歌です。

山里小の児童「被爆した人たちだけじゃなくて、自分たちも知って伝えていかないといけない」

城山小の児童「表情もよかったので言葉が通じなくても世界に伝えらたかなと思いました」

城山小の児童「戦争をしている地域の方や被爆者の方々のことを思って歌いました。平和の思いがより一層深まったと思いました」

「長崎を最後の被爆地に」平和を願う心は戦争を知らない世代へと受け継がれていきます。