2022年4月、「長崎スタジアムシティ」の建設工事現場で、被爆当時あった外国人捕虜収容所の基礎などが見つかったことについて、長崎市は市民に公表せず保存しないことを決めた一方、市長定例会見で質問が出た場合の想定問答を作成していたことが、市への情報公開請求で分かりました。
長崎市が想定Q&Aを作成していたのは、遺構が見つかった後の2022年5月以降の市長定例会見です。

「Q保存すべき被爆遺構はないという根拠について」という質問に対しては、
(1)戦後の土地利用により破壊が進み、局所的かつ一部しか残存しておらず、被爆当時の「収容所」の範囲や構造をしめすものではなかった
(2)被爆当時の生活面(生活遺物や被爆による瓦礫、炭化物などを含む)が検出されなかったことから、戦後大規模な土壌の入れ替えが行われているものと考えられる
(3)熱線や爆風、衝撃波による被害(ススの付着やせん断、ひび割れ)を物語る遺構や異物が検出されなかった
ことを挙げています。
また「『収容所』については、被爆当時の写真を掲載した説明板を設置し、原爆により引き起こされた歴史的事実の継承に努めている」
「今後とも開発業者の主導のもと、当該地から平和の発信等ができないか協議をすすめる」としています。