「子どもが熱を出した…」「入園式に出たいけど平日…」
育児と仕事の両立に悩む人にとって、助けとなる制度が2025年4月1日から始まります。改正された「育児・介護休業法」では、子育て世代にとってうれしい制度が拡充され、企業側にも柔軟な対応が求められます。注目の改正ポイントを、当事者の声を交えて紹介します。
「子の看護等休暇」に名称変更!行事にも使えるように
これまで、子どもが病気やケガをしたときに取得できた「子の看護休暇」。4月からは「子の看護等休暇」に名称が変わり、入園式・卒園式などの学校行事や、感染症による学級閉鎖時にも取得できるようになります。また、休暇を取れる子どもの対象年齢も広がりました。
【対象】
小学校就学の始期に達するまで
⇒小学校3年生修了まで
【取得事由】
①病気・けが
②予防接種・健康診断
⇒①病気・けが
②予防接種・健康診断
③感染症に伴う学級閉鎖など
④入園(入学)式、卒園式
収入の不安を減らす!「出生後休業支援給付金」がスタート
男性の育児休業取得率は少しずつ上がっているものの、依然として女性より大きく低いのが現状です。背景には、「収入が減るのが不安」という声も多く、新制度ではその課題に対応します。
新たに導入される「出生後休業支援給付金」は、両親ともに14日以上の育児休業を取得することを条件に、父母それぞれ28日間、従来の育休給付に13%上乗せして給付率を80%に 。これにより、 手取りベースで育休前と同等になります。経済的な負担が軽くなることで、男性の育休取得を促す狙いです。
▶現在の育児休業給付金の給付率
…育児休業取得後180日間は育休前の給料の67%、手取りベースで約8割
の収入
… 181日以降の給付率は50%、手取りベースでは約6割
▶新制度
…「両親ともに育休を14日以上取得する」という条件で、父母それぞれ28日間は給付率が80%、手取りベースでは休業前と同等に
時短勤務でも“損しない” 新たな給付制度も
育休明けに時短勤務を選ぶ人も多い中で、「収入が減るのはつらい」という悩みに対応するため、4月からは、時短勤務中の給料の1割を国が給付する制度も始まります。仕事復帰を迷う人の経済的な不安を減らし、より柔軟な働き方を後押しすることが狙いです。
企業にも柔軟な対応が求められる時代に
改正法を受け、長崎市にある創業125年の企業「フジオカ」では、柔軟な働き方を実現する環境づくりが進められています。
1歳5か月の双子を育てながら働く女性社員は、
「制度を使って休みやすくなるのは、すごくありがたい。働きながらでも子育てできるっていう背中を見せていきたい」と話します。
また、4歳と6歳の子どもを持つ男性社員も
「“法律で決まっている”と思えば、休みやすくなる。社内で助け合える体制が大事」と話していました。