円を描くように走る新しい交差点が、長崎県諫早市に登場しました。長崎県初となる「ラウンドアバウト(環状交差点)」。本格導入に向け、諫早市の市道で14日社会実験がスタートしました。
時計回りが基本ルール

標識には時計回りの矢印のマーク。環状交差点=ラウンドアバウトを示すものです。この交差点の特徴は、信号がないこと。代わりに「ゆずれ」の路面表示があり、交差点内を走る車が優先されます。運転手は交差点に入る際、環状路内の車の様子を確認し、ゆっくりと進入。その後は必ず時計回りで走行し、目的の方向が見えたら左折して出ていきます。

警察官:
「きょうから環状交差点が始まっています」
2年後の本格導入に向け、14日始まった社会実験。県警では警察官が路上に立ち、運転手に通行方法などを詳しく伝えました。

記者レポート:
「今からラウンドアバウトの通り方を教えてもらいます」

警察官:
「車がきていないことを確認して左側に寄って交差点の中を時計回り、自分が行きたいところの前で左折の合図を出して出る」

長崎県諫早署交通課長 中谷敏憲警部:
「環状交差点は一時停止の交通規制がかかっておりませんのでお互いに交差点内を進行する車両、交差点に入る車両お互いが譲り合いの精神で交差点に入っていただく」
期待される効果は

新しい交差点システム「ラウンドアバウト」は、走行速度が自然と抑えられるため重大事故の防止が期待できます。また、信号待ちがなくなることで渋滞緩和にも効果があるとされています。さらに、災害や停電時でも機能するという利点もあります。
地域の反応は?

付近住民:
「県内で初めてできるということで楽しみと大丈夫かなと不安なところもあります」
「緊張しました。どうするのかな??て」
運転手:
「楽しかったです。どこで出ようかなーと」
今後は?
諫早市によると、来年度はさらに交差点の大きさを広げて実験を続け、早ければ再来年度に本格運用を開始する予定です。
利用時の注意点

右折したい場合も、まず左折して交差点内に入り、時計回りで目的の方向まで回ってから出る必要があります。そのまま右折することは逆走となり、「環状交差点左折等方法違反」になるため注意が必要です。

歩行者は信号のない横断歩道と同じように、車の確認をしてから横断します。
この場所は15日以降も環状交差点として運用されるため、通行の際は新しいルールに従った走行が求められます。