長崎電気軌道は路面電車の運賃を来年度、現在の140円から150円に引き上げる方針で、20日九州運輸局に申請したと発表しました。

来年4月から10円アップへ
長崎電気軌道の発表によりますと、大人140円の現行運賃を10円引き上げる上限運賃変更認可を、20日付で九州運輸局に申請したということです。
申請は年明けにも認可される見込みで、来年4月1日から大人は150円に、小児は70円から80円に運賃が引き上げられる見通しです。

運賃の変遷
運賃の変遷は以下の通りです。
1984年~2009年:100円
2009年:120円
2019年:130円
2021年:140円
2025年(予定):150円へ
今回の引き上げは、2021年以来3年半ぶりとなります。
値上げの理由は
長崎電気軌道では値上げの理由について、世界的な紛争に伴い軌道整備にかかる原材料費などが増加していることや、輸送人員がコロナ禍前の水準に戻っていないこと、さらに運転士の不足を上げています。
運転士はコロナ前のダイヤに対する必要人員120人に対し現在は92人と不足している状況で便数を減らして対応しており、新規採用を強化するため賃金水準の継続的な向上を実施したいとしています。
長崎電気軌道では「利用者には負担をかけることになる。継続的な安全運転の提供と利便性向上のため理解をお願いしたい」としています。
「10円でも辛い」…利用者の声
引き上げ方針の発表を受けて、利用者の30代会社員からは「通勤でも使っているので10円でも辛い」、80代男性からは「自分たちは大変だけど、なんでも上がっているからしょうがないね」などの声が聞かれました。