長崎県と佐世保市が東彼・川棚町に計画している石木ダム事業をめぐり、建設予定地の住民らが工事の中止を求めている裁判で、最高裁判所は、20日までに住民の訴えを棄却しました。


この裁判は石木ダム建設予定地に住む13世帯50人あまりの住民らが、『ダム建設により平穏に生活する権利を侵害されている』などとして工事の差し止めを求めていたものです。


去年10月、福岡高裁が「住民の主張は抽象的で不明確」などとして訴えを退けたため、住民らが上告していましたが、20日午後、最高裁から上告を棄却する決定が届いたということです。


これについて住民側は「佐世保の水が足りていることなどを訴えたかったが、審理もされなかった。行政の言い分しか聴かない裁判所の姿勢は納得できない。これからも反対運動を続ける」などと話しています。


一方、長崎県の大石知事は「川棚川の洪水被害軽減と佐世保市の水源確保のためにダムが必要との姿勢を改めて示した上で、事業を円滑に進めるために住民側との対話を今後も重ねていく」としています。