「少女には刑罰による抑止効果ない」

【その他、視覚優位の認知、直感像記憶(一度見た光景や画面を凝視した後、時を置いてそれらが再び眼前に鮮やかに見える)といった特性のほか、興味を持ったことを徹底して追及する行動様式を身に付けていること、不安や恐怖の感情が弱く、決めたことは迷いなく完遂する性格という要因も重なり、ASDの中でも非常に特殊な例である。ASDが非行に直結したわけではなく、環境的要因も影響している

検察官は5カ月に及んだ精神鑑定を受け「刑事責任能力あり」との意見書をつけて長崎家庭裁判所に送致し、被害者の遺族も「厳罰を望む」との意見陳述をしていました。

しかし家庭裁判所は【少女には刑罰による抑止効果がないし】【少女が自由に空想にふけることを許してしまう環境では、かえって症状が悪化する可能性がある】と判断。

【再犯防止や社会防衛の観点から考えても】【少女の特性や非行メカニズムに応じた治療教育の実施が期待できる医療少年院での処遇が望ましい】として、事件発生からおよそ1年後、「医療少年院送致」の保護処分を言い渡しました。

この段階で元少女は【いまだ殺人欲求を抱き続けており、具体的な改善はみられない】とされていました。一方で【今までの自分の中になかった苦しさ、申し訳なさを感じるようになったとして謝罪の言葉を述べるなど、変化の兆しはみられる】とも指摘されています。