平地真菜 気象予報士:
雨雲レーダーの話です。
こちら7月4日の雨雲レーダーです。ちょっと動かしてみると一瞬、”変なもの”が映ります。

拡大してもう一度見てみましょう。壱岐周辺に注目してご覧ください。

住吉 光 キャスター:
ちらっと出ましたね…。四角の巨大な雨雲がありました。
平地真菜 気象予報士:
こんな雨雲、見たことありますか?
住吉 光 キャスター:
見たことないです。

平地真菜 気象予報士:
この形に対してネットでも、「え?何これ?」とか「巨大なスマホ」とか「掛け布団を上から見た感じに似てますね」など様々な反応がありました。
私も初めて見た形でしたので、気象庁の観測機器の管理を行っている観測整備計画課の鈴木さんに話を聞きました。

回答としては──『雨雲ではない』という回答です。
今のところ「はっきりと断定できていない」と前置きした上で、「これまでの経験から言うと、無線局や無線設備の電波が干渉したのではないか」という回答でした。

そもそも雨雲というのは、気象レーダーで観測しています。
レーダーから発射された電波の先に雨雲などがあると、雨つぶに電波が反射されて、(エコー=こだまのように)戻ってきます。
この違い──”発射した電波”と、”戻ってきた電波”の違いで、雨雲の位置であったり、どれぐらい早く動いているかだったり、強さなどを観測しているんですね。
「この電波に無線か何かの電波が干渉したのではないか」ということでした。

これは「異常エコー」と呼ばれていて、機械的に除去処理されているということなんですが、今回のように処理の『網の目』をすり抜けてしまうこともあるそうです。
住吉 光 キャスター:
結構、頻繁に見られるんですか?
平地真菜 気象予報士:
そうなんです。実は今回も、壱岐市だけではなく、南の方の「佐賀県との県境」にもあるんです。

今回は長方形だったので、より注目されたのではないかと思います。

鈴木さんによりますと、こういった「異常エコー」の除去は、今後も強化していくということでした。