新型コロナの影響で業績が悪化している大手旅行会社HISが子会社であるハウステンボスを売却する方向で最終調整していることが関係者への取材で分かりました。


ハウステンボスは経営危機に陥っていた2010年にHISが買収、株式の66・7%をHISが取得し残りを九州電力などが保有しています。
関係者によりますと今回はHISの業績悪化に伴いハウステンボスを売却することで最終調整に入ったとのことで、他の株主も同調する見通しです。
一方で、ハウステンボスの経営は維持されるとのことで、佐世保市の朝長市長は特に危機感はないといいます。


朝長 則男 佐世保市長:
「私どもとしましては、事業を継続してもらい、そしてまた雇用をしっかり確保していただくこと、それがしっかり担保されれば資本の移動というのは、世の中どこでもあることですので」


またハウステンボスの敷地の一部は現在、国による審査が行われているカジノを含む統合型リゾート=IR計画の用地にもなっていますが、今回の売却が影響する可能性は低いとみられています。

朝長 市長:
「IRに関しましては、HISさんとの契約ではございません。ハウステンボスさんとの契約でありますので、そこはしっかりと確保されているというふうに認識しております」


売却先については、香港の投資会社を軸に調整が進められていて、売却額は数百億円規模になるとみられています。

ハウステンボスそのものは業績は回復傾向にあるため、今回の売却への動きは親会社のHISの業績悪化が理由とされています。
売却がどうなるか?それが決まった場合、引受先がどのような経営方針を示すのか?が今後のポイントになります。