断水が続く石川県輪島市の漆器店では、作品作り再開のめどが立たない中、店の一部を使って輪島塗りの販売を再開しています。

塩安漆器工房

輪島市小伊勢町の塩安漆器工房では、今月7日から被災した店舗の一部で輪島塗りの販売を再開しました。並べられているのは箸やアクセサリーなどおよそ300点。代表の塩安眞一さんが、ボランティアで輪島を訪れた人の思い出になればと再開を決めました。

塩安眞一 代表「箸だったら毎日使うじゃないですか。これは何年か先になっても、“あのとき、能登半島地震のとき、一生懸命頑張っていたんだ、その時に買った箸やで” “ああそうなんだ”となったら嬉しい」

塩安漆器工房

工房と店舗を兼ねる建物も大きな被害を受け、商品のほとんどは床に散乱し、欠けてしまいました。また、工房近くに住んでいた職人はほとんどが市外に避難しています。断水が続く中、職人が戻ったとしても水が通らない限り、作業の再開は難しいと話します。

提供:塩安漆器工房

塩安眞一 代表「輪島塗りは輪島そのもの。まず、輪島塗りをきちんと復興させるのが塗師屋のつとめだと思う」

日常を取り戻すため被災地では住民たちが一歩ずつ歩みを進めていました。