東北から能登を訪れ能登半島地震の今の惨状を描く画家がいます。
「人間の心を通して残る記憶を描きたい」
自身を“災害画家”と名乗る男性の思いです。

元日の地震で崩落し、姿を変えてしまった能登のシンボル、見附島。その様子を遠くから眺め、キャンバスに描く男性がいました。岩手県に住む画家、鈴木誠(すずき・まこと)さん。東日本大震災や熊本地震などでも被災地の風景を描いてきました。

画家 鈴木誠さん
「(見附島は)能登に来て5枚目です。やっぱり復興に至っていく過程の、希望というものがきっと生まれてくる。記録としてどんどん書いていくうちに出てくると思うので、そういうところを見てほしい」

車で寝泊りしながら1月末から能登の各地を回り、輪島朝市や能登町白丸地区、和倉温泉などを絵に収めました。これまでの災害でも、時には“不謹慎だ”などと批判を浴びることもあったと話す鈴木さん。しかし、「惨状が正しく伝わっているのか」と疑問に思うことも多かったといいます。


画家 鈴木誠さん
「写真とか映像で残す記録というのは災害でたくさん残ると思う。(絵は)1回人間の心を通してから作られる記録なので、そういうのはしっかりとやっておきたい。やっぱりある程度は細かいところまで目が行き届くようにしたい」

鈴木さんは今後、自身の絵を展示したり書籍に残したりすることで、多くの人の目に触れる機会を作りたいということです。