まずは、こちらのグラフをご覧ください。石川県内で去年までの過去5年間に発生した交通事故の件数を時間帯ごとに示したものです。夕方以降、特に午後4時から6時までの発生件数が突出して多いのが分かります。

そこで注目するのは、これからの時期に増える「夕暮れ時」の交通事故。その原因と対策を取材しました。

記者リポート
「まもなく日没時刻(4:45)を迎えます。道路を見てみるとほとんどの車がヘッドライトを点けている一方で、中にはそうでない車も見受けられます」

今年に入ってから石川県内で16日までに発生した、歩行者と車による交通死亡事故は13件。このうち「薄暮」と呼ばれる日没時刻の前後1時間と夜間に発生したのは、全体の8割近くを占める10件に上っています。

県警察本部交通企画課・窪美希さん
「この時間帯は今から暗くなるとても見えづらい時間帯。まだ明るいという認識ではなくて見えづらい嫌な時間帯だなということを覚えておいてください」

15日、県警察本部が若手警察官を対象に開いた講習。薄暮時は、徐々に視界が悪くなって歩行者が見えづらくなったり、距離や速度の感覚が掴みにくくなったりすることが事故の原因とされています。

そこで重要なのが「ヘッドライトの使い分け」です。

県警察本部交通企画課・窪美希さん
「30メートル先に人がいます。車で走って『あれ、何か見えるかな?』と思っている瞬間に1秒、2秒。そしてバーンと跳ねてしまいます。そのくらい見えづらい」

通常、下向きの「ロービーム」では40メートル、「ハイビーム」の場合は100メートル先まで照らすことができます。時速40キロで走行した場合、30メートル先にいる歩行者の見え方はそれぞれどう変わるのでしょうか?記者が運転を体験しました。

県警察本部交通企画課・窪美希さん
「いま、人が横断しています。見えますか?」

記者
「いや、全然見えないです…あっ、黒い服の人がいました」
「ここまで暗いと、全然見えないですね」
一方、ハイビームでは、歩行者が黒い服を着ていても全身がはっきりと見えます。県警では、
①薄暮時から夜間の時間帯には「ハイビーム」での走行を基本とした上で、
②対向車や先行者がいる場合には「ロービーム」に切替えるよう呼びかけています。

一方、歩行者側も、白や黄色などの明るい服装を心掛けたり反射材を身に着けたりするなど、自分の存在を知らせることが肝心です。

県警本部交通企画課・平野洋一課長補佐
「年末にかけて天候の悪化ととも視認性が悪くなったり、路面の状態も悪くなる。運転時には前をしっかり見て頂くとともに、早めのライト点灯や切り替えで安全運転に努めていただきたい」

 
           
   
  









