「家庭の本音」と「学校の本音」をつなげてブラックと言われる学校現場をゴールドにしたいと、この春、小学校を定年退職した元校長先生が活動を始めました。
今年、石川県白山市内の小学校校長を最後に、定年退職した松下浩一さん。学校の先生を対象に教育コンサルタントとして「松下教育研究所」を立ち上げました。

自身の経験をふまえて学校を元気にするためにはまずは校長先生からと、松下さんは学校現場を元気にするテキスト「船中八冊(せんちゅうはっさつ)」を書き上げ、4月に自費出版しました。
現役の校長先生からは「不登校のお子さんのご両親と話す時にどんな点に注意したらいいか」と相談されることもあります。
◆松下浩一さん(松下教育研究所代表)
「年々学校、教育現場の課題がものすごくたくさん増えている中、これから若い先生がどんどん増えます。当然経験不足から生まれるいろんな学級経営の悩み、授業の悩みが増えます。校長先生、教頭先生だけでは抱えきれないことも出てきます。そんなときに少しでも若い先生やベテランの先生も含めて、応援できたらいいなと思い、松下教育研究所を始めました」
子どもが生き生きと学べる学校にするには、まず大人から元気に。
「船中八冊」は校長時代の通信や学級崩壊、いじめや不登校などへの対応など校長先生へのアドバイスを八冊にまとめたものです。

先月30日にはそのテキストを使いながら、七尾市教育委員会でリモート講演。市内の校長先生や学校や先生方の課題を聞きました。
こんな活動もあります。放課後の小学校保健室。専門スタッフによる出張ヘッドスパを教頭先生に体験してもらいます。ヘッドスパは松下教育研究所のもう一つの柱です。教頭先生リラックスできたのか、具体的な悩みを松下さんに語ります。

◆教頭先生
「若い先生方が多いので、授業のやり方やこどもとの接し方が一生懸命なんですけど堅いというか…」
◆松下浩一さん
「もうちょっと柔らかく若い感覚で?」
◆教頭先生「はい…」
悩みに耳を傾ける松下さん。
◆教頭先生「松下さんが優しくいいんだよと言ってくださるじゃないですか。もうそれだけで私は救われた気分です」
