シリーズでお伝えしている石川県の新年度県予算案。火災や災害時に県民の暮らしを守る消防職員を育てる消防学校の移転について検討が進められます。。

近年、大規模化している災害、そして今年に入り頻発している建物火災。このような有事の際に最前線で人命の救助や消火活動を担う消防職員を育成しているのが石川県消防学校です。基礎的な知識や技能を学ぶ初任科や専門的な分野を修得する専科教育などで、学生たちが訓練に励んでいます。しかし、消防学校は築40年を迎え老朽化していることから建て替えの議論が行われてきました。

県は新年度、消防学校の移転整備の検討に向け基本構想策定費およそ1500万円を計上しました。馳知事は「今の消防学校ができた頃の火事と、防災と、あれから半世紀以上たった現在の火事、地震、大雨、やっぱり違いますよね。そういったことを踏まえて、当然、消防学校が今申し上げたような機能強化をする」と移転整備の必要性について述べています。「新しくなればそれに伴い今ある施設以上に各消防本部の消防長から要望がある実践的訓練施設ができるのかと期待している」(石川県消防学校 岡野昭久校長)

予定地として白羽の矢が立てられたのが30年近く活用が塩漬けとなっていた金沢市二日市町の県有地です。いしかわ農業公園を建設するために45億円余りをかけて県が購入した29・2ヘクタール東京ドーム6つ分という広大な敷地です。

県は最新設備を取り入れた消防学校のほか防災教育を図る防災センター、備蓄や物資の輸送拠点としての活用も目指します。激甚化する災害から県民が安心して暮らせる地域づくりの施策が進められています。