今年の労使間の賃金交渉春闘が事実上のスタートです。物価高への対処として、組合側の賃上げ要求が例年以上に強まる中、企業の業績に応じて対応は分かれそうです。
連合石川と県経営者協会は、ことしの春闘の交渉に向けた基本方針を確認する懇談会を10日、金沢市内で開きました。原材料価格の高騰などによる物価の上昇が企業の業績を圧迫し、経営を取り巻く環境は依然厳しい状況にあるとして、労使双方が協力して業績の改善に向けた取り組みを進めていくことで一致しました。
席上、連合石川の福田佳央会長は、県経営者協会の高松喜与志会長に、ことしの春闘で定期昇給分の2%を含む、5%程度の賃上げを求める要請書を手渡しました。
急激な物価高が家計を圧迫する中、1994年以来、実に29年ぶりの高水準となる今回の賃上げ要求に、県経営者協会は一定の理解を示しているものの、企業によっては対応が難しい部分もあるとの見解を述べました。
石川県経営者協会・高松喜与志会長
「賃上げ要求については理解している。ただ、給料を上げにくい企業もあるので、そういうところについては雇用維持を優先に企業に合った賃上げを考えていくべき」
政府がインフレを上回る賃上げを求める一方で、大企業に比べ経営基盤の弱い中小企業が多い地方への波及効果は見通せていません。