帰省のたびに家族、友人同士などの心温まる姿を撮り続ける
同じく発起人の東雅彦さんは、帰省していた発災当日の経験をきっかけに2024年夏、「家族の肖像写真撮影プロジェクト」を立ち上げ、これまで町野町に帰省のたび、家族、友人同士などの心温まる姿を撮り続けています。
町野町での「一生モノのフレーム店」開催の際には、富士フイルムさんへご自身のプロジェクトと掛け合わせた企画を提案し、当日は会場で撮影した家族写真をフレームフィッティングし、その時の温度を持ち帰るというプログラムが実現しました。
東さんに当時のことを振り返っていただきました。
東雅彦さん「令和6年1月1日、能登半島地震で、多くの人が土地や家、家族、仕事を失いました。生きていく根本を失い、築いてきた全てを失うなかで一つ、思い出したことがありました。それは、家族の尊さでした。
忙しさを理由に、盆や正月の帰省を見送ってきた子供たちが、親を心配して戻ってくるようになりました。私自身も被災し、変わり果てた故郷の姿を見て、『命に紐づくこと以外はすべて余分なことなのだ』と、被災から学びました。
『家族の肖像写真撮影プロジェクト』は、こうした体験から生まれました。
スマートフォンで手軽に撮せる時代ですが、私は故郷の皆さまに『今日は家族や友人と一緒に写真を撮りましょう』と、わざわざ会場まで足を運んでいただき、汗をかきながら楽しい撮影体験をしていただくことで得られる、“大切な人の温度”を持ち帰っていただきたいという思いがあります。
富士フイルムさんには『一生モノのフレーム店』という企画がありました。その始まりは東日本大震災だったと、担当の方から伺いました。当時、私も福島県におりました。あまりの惨状に言葉を失いました。けれども、プリントされた写真はボロボロになりながらも、家族の思い出が瓦礫の上に残っていました。
こうした光景に出会われた富士フイルムの方は、『一枚のプリントの大切さを知りました』と、私に話してくださいました。
『一生モノのフレーム店』のコンシェルジュの方々は、お一人お一人、一枚一枚の写真としっかり向き合い、写真のオーナー様と語らう時間を大切にすることを忘れません。『一枚の写真を、特別な一枚へ』というそのコンセプトに私は共感し、故郷の文化祭で撮影した家族の肖像や友人との写真、“大切な人の温度”を額装して持ち帰って頂く特別な体験という取り組みに、お力添えをお願いいたしました。
町野地区文化祭でもあった当日は、足元の悪いあいにくの天気でしたが、会場はとても賑やかで、お越しくださった皆さまとコンシェルジュの方々との笑顔がとても美しかったことを覚えています。
6月に、横浜で行われた『PHOTO NEXT 2026』では、その日のこと、そして高野と私、能登半島との関わりが、『写真幸福論』として紹介されておりました。担当の方々も温かく私を迎えてくださり、当時のことを語らうことができました」











