「無頼派」を守るための意外なこだわり

日記文学「一私小説書きの日乗」の中の西村賢太 ミニ展示の一部

西村さんの作品には、深夜にカップ麺「赤いきつね」をすすって寝るといった「飯テロ」的な描写が頻出する。しかし、トークショーでは日記には書かれなかった意外な食の好みが明かされた。

西村さんが亡くなった直後、身元確認のために警察署へ向かった山田さん。そこで警察官から予想外の言葉をかけられたという。

KADOKAWA 山田剛史さん 「警察官の方に『リュックの中にケンタッキーが入ってるんですけど、処分してもよろしいでしょうか』と言われまして。実は日記にはケンタッキーって出てこないんですよ。『無頼派作家がケンタッキーは食べないだろう』ということで、あえて出していなかったんだと思います」

強面なイメージを守るため、フライドチキンが好きだという事実は、作品内では封印されていたのだ。こうした「無頼派としての演出」は、食以外にも及んでいたようだ。

作家デビュー前 あどけない笑顔を見せる西村さん

KADOKAWA 山田剛史さん 「あまり『可愛らしい部分』とかは見せちゃいけないと思っていたんでしょうね。やっぱり無頼派作家がディズニーランドに行ったらダメじゃないですか。実際は編集者を誘ってたことあるんですけど」

KADOKAWA 似田貝大介さん 「日記も限りなく本当のことを書いていると思うんですけど、やっぱり見せ方を気にしているところはありそうですね」