「日本から見放されている」拉致問題放棄を確信したとき

そうした生活が続く中で、地村さんが日本の拉致問題放棄を確信したのは、1990年ごろの自民党・金丸信氏と社会党・田辺誠氏の訪朝だった。

地村保志さん「金丸信さんっていうのは政界のドンといわれるすごい影響力がある人だと知っておったんですけども、北朝鮮のすごい歓迎を受けて、北朝鮮のテレビでも日本の映画を放送するぐらい歓迎がすごかったんですね。でも拉致問題は出てこなかったんですよ」

その時、地村さんは思った。

地村保志さん

地村保志さん「拉致問題は日本から忘れられてるんだなというふうに考えました」

北朝鮮は当時、拉致を全く認めていなかった。むしろ「ありもしない拉致問題で日本が北朝鮮を敵対視している」と主張していた。