石川県白山市鶴来に明治時代から140年以上続く老舗しょうゆ店があります。しょうゆの消費量が減る中、めいと2人で取り組む新たな挑戦を取材しました。
屋根には雪が降り積もる石川県白山市鶴来。築170年の歴史ある建物を利用し、先日プレオープンしたカフェがあります。
MRO北陸放送 石橋アナウンサー
「木のいい香りでぬくもりを感じる。梁が見えていて歴史を感じるつくりになっている」

店を出したのは、明治10年から続く老舗しょうゆ店「大屋醤油」です。
名峰白山の天然水を使用していて、“おや玉醤油”の名で親しまれています。


カフェの店長は大屋醤油5代目社長の妻、大屋美千代さん。製菓を担当するのは姪の藤場杏子さんです。

人口減少などにより醤油の消費が少なくなり、一度は店を畳むことも考えたといいます。
大屋醤油カフェ 大屋美千代店長
「おや玉さんなくなったら困るという声もあり、続けられる範囲で続けていこうと思った」
15日、開店直後から地元の味を求める常連客で賑わいました。
常連客
「よその地域と比べて口当たりが甘い、いろいろな料理に合う」
大屋醤油カフェ 藤場杏子さん
「大屋醤油の白山の雫を入れていきます。国産大豆を使っていて、甘みとコクがある点が特徴です」

“全てのスイーツに醤油を入れたい”という美千代さんのアイデアを製菓の専門学校に通っていた杏子さんが実現させました。
大屋醤油カフェ 藤場杏子さん
「えー!全部に醤油入れるのかって正直思って。でもやってみるとおいしくできたのでそれを売りにしていけたらいいなと思います」
早速醤油入りのガトーショコラをいただいてみました。

MRO北陸放送 石橋アナウンサー
「塩味はほとんど感じない。正直しょうゆが使われていると言われないとわからないくらい、濃厚な甘さがある。しょうゆを使っているからこそのコクから生まれる濃厚さ。とっても美味しいです、また食べたい!」
大屋醤油カフェ 藤場杏子さん
「この店をきっかけに鶴来に来てもらって、他の鶴来も回ってもらう。そんな店になればと思います」
老舗醤油店の新たな取り組み、姪と2人3脚で営む「しょうゆカフェ」そこには常連客と共に伝統ある醤油を守っていく、心温まる空間がありました。
※プレオープン中も火・水の定休日以外は10:00-16:30まで営業中