国の文化審議会はこのほど、金沢市の県立能楽堂にある能舞台を、登録有形文化財にするよう文部科学大臣に答申しました。藩政時代から息づく能文化を伝える建造物として評価されました。

金沢市石引にある県立能楽堂の能舞台は、元は1931年に金沢市広坂に造られ、その後1971年に、現在の場所での建設に合わせて移されました。伝統的な入母屋造りの屋根にはヒノキの皮を使った檜皮葺(ひわだぶき)の工法が用いられ、社寺建築の伝統的なデザインを備えた格式高い能舞台です。

県立能楽堂によりますと、保存状態の良さや、90年経った今でも利用されている文化的価値の高さが評価されたのではないかということです。答申通り登録されれば、石川県内で国の有形文化財として登録される建造物は289件になります。