様々な食品が次々と値上がりする中、タイムセールの特別価格は何と0円。石川県のJA小松市の直売所で始まったのは、地物野菜が無料になる「0円タイムセール」。むだを無くす食品ロスにもつながる取り組みです。

旬の野菜をその日のタイムセールに合わせ、無料で提供する財布にやさしい取り組みが6日から、JA小松市の直売所「JAあぐり」で始まりました。初日は午後2時から、ダイコンやホウレンソウ、キャベツに、カブ、レタス、ミニトマトなど11種類、約400点の地物野菜がどれも無料で並びました。

対象となるのは「なくそう食品ロス」のシールが張られた野菜で、店内のレジで店員に「インスタ見ました」と伝えると、1人3点まで野菜が無料になるということです。「物価が高騰しているので、こういう取り組みは主婦からしてもうれしい」と、買い物客の反応も上々です。

企画したJAあぐりの吉川英臣店長は、「農家の思いとしても私たちの思いとしても、新鮮でおいしい野菜をできるだけ多くの人に食べてもらいたいと、この企画をスタートした」と狙いを話します。

これまで売れ残り廃棄されていた野菜や、形が不揃いで流通しなかった規格外の野菜をむだなく提供でき、食品ロスの削減にもつながります。そして何より、この「0円セール」は、愛情を注いで育てた農作物を食べてもらいたいという、生産者の思いが込められています。ダイコン生産者の男性は、「私ら農家からしてもうれしい。捨ててしまうよりはいい」と話し、新しい取り組みを歓迎します。

小松市のJAあぐりで始まった「0円タイムセール」は、来年の1月中旬まで不定期に開催されます。開催するかどうかは、収穫量や売れ残った量によってその都度決め、JAあぐりのインスタグラムに告知されるということです。