今年8月の記録的豪雨で氾濫した石川県の梯川(かけはしがわ)水系をめぐり、国や県は、治水対策を前倒しすることを決めました。川底を掘削したり、川幅を広げたりすることで、氾濫を防げるとしています。

小松市を流れる梯川や、支流の鍋谷川などでは、今年8月4日の豪雨で氾濫や堤防の決壊が発生し、1500棟を超える住宅が浸水しました。

小松市公会堂、28日午後4時ごろ

小松市では28日、関係機関が治水対策を話し合う2回目の会議が開かれ、金沢河川国道事務所が改良工事を3年程度前倒しすると説明しました。

改修を進める区間(国土交通省資料を基に作成)

今回の大雨で浸水被害が大きかった中海町の周辺を含め、2027年度までに川底を掘削し、現在の堤防よりも外側に堤防をつくることで川幅を広げる工事を完了させます。

小松市の宮橋勝栄市長は「もちろんハード整備に関しては時間を要する部分もあると思う。だがその中でも効果が高い河道掘削などは前倒しできる部分があるので、協力しながら進めたい」と話しました。

このほか、県が管理する滓上川(かすかみがわ)でも、小松市中海町で堤防の整備や、上流の中ノ峠町で川底を掘削する工事を進めます。

小松市中ノ峠町を流れる滓上川=8月5日

また今回の大雨で川底に溜まった土砂を撤去し、決壊した堤防を復旧する緊急工事を来年6月の出水期を前に完了させることを決めました。