石川県珠洲市周辺で2020年12月から続く群発地震のメカニズムを解明に向けて、研究者が海底で磁気を測定する調査に乗り出しました。地震の原因とされる地下の流体の広がりをより詳細に解析できることが期待されます。
海底での調査を始めたのは、兵庫県立大学や金沢大学などの研究グループで、12日から13日にかけて、珠洲市の沖合3か所に、地球がもつ磁気=地磁気を調べる観測機器を、深さ50メートルから100メートルほどの海底に設置しました。

珠洲市周辺では6月19日に最大震度6弱を観測するなど、2020年12月から活発な地震活動が続いていて、金沢大学の平松良浩教授らは、地下深くにある水のような流体が地震を引き起こしていると指摘しています。
研究グループは2021年秋以降、珠洲市などの陸上で地磁気を測定した暫定結果で、地下に流体とみられる領域があることを明らかにしています。一方、流体の量や広がりははっきりとは分かっておらず、陸からの観測に加え、海底での調査も必要とされてきました。
兵庫県立大学の後藤忠徳教授は「地震の発生している場所は海岸のそばで、陸上だけで調査しているとどうしても分からなかったり、明確ではない。地下の流体がどの辺りにどれくらいの量があるのかを解明する」と述べました。
研究グループは10月25日に観測機器を回収する予定で、陸上で調査したデータと合わせて流体の広がりを確かめることにしています。