公費解体が進む中、新たな倒壊や片付けの問題も
町野町では、7月から大通りを中心に、危険性の高い建物などの公費解体が進んでいます。依然新たな倒壊も続いていますが、電柱に食い込んでいて危険な状態であった家屋などの解体が行われ、少しずつ景色が変わりつつあります。
発災時から変わっていない場所もありますが、宿泊場所などの確保が難しく、能登の工事業者も全員被災しているというなかでも、発災当初の想定よりも早く復旧へ向けて進んでいます。

解体が進むにつれ、更地となった土地が目立つようになってきました。復旧から復興へ進む第一歩であると同時に、気持ちの整理が必要となる場面が増えてくるように感じています。
一方で、この夏から仮設住宅への入居が決まり、これまで日帰りでしか行えなかった片付けにようやく本格的に取りかかれるという方もいらっしゃいます。
町野町ではほとんどの家屋が全壊あるいは半壊のため、一般ボランティアの方にも頼めず、自分たちで片付けを進めるしかない方がほとんどです。
倒壊の危険を感じながら、発災から時間が止まったままの自宅を片付ける作業は、本当に途方もない作業です。
夏場の作業は、暑く、雨漏り箇所からカビが生えるなどして、衛生的にも不安があります。倒壊しているため、水道を使うこともできないのです。
それでも、日々仮設住宅から自宅の片付けに通いながらの作業が続けられています。季節は秋へと移りつつあり、台風による被害のニュースも増えてきました。
倒壊を免れた家も、補修が間に合わないまま、ブルーシートなどで応急修理がなされた状態です。台風や大雨の影響で、倒壊している家屋のさらなる倒壊も心配されますが、被災した自宅での生活を続けている方からは、家屋の傷みや補修箇所のさらなる破損などの不安の声もあがっています。